MIDI入力をビジュアライズしたい
音符のビジュアライゼーションとして、よく見かけるのがピアノの鍵盤楽器通りの音列をそのまま左から右に並べたものがあります。ただ、旋律や和声の構造的な成り立ちから言うと、そのままのドレミではなく、音を完全五度ずつ円状に並べた五度圏(サークル・オブ・フィフス)でビジュアライズした方が演奏や作曲に何かと便利というか本質的ではなかろうか?と思っていました。
ごく普通のアイディアなので先達がいるはず
processingで自作してみようかと考えましたが、発想自体は全くもって突飛なものではないと思われます。
また、このようなものはprocessing、openframeworks等のコミュニティではネタとされやすいだろうし、必ず先達がいると思いました。同時に、モダンブラウザであればネイティブアプリやアプレットでなくても実現可能かも?と思いたち、少々調べてみました。
発見!MAGIC CIRCLE OF FIFTHS
MAGIC CIRCLE OF FIFTHS
http://blog.alexrulkens.com/2010/08/magic-circle-of-fifths/
processingで作られているようです。ローカルマシン上で稼働できるように各OS用にパッケージがあります。DAW環境が既にある人ならダウンロードして起動するだけで問題なく使えるかと思います。
これです、コレ。コレをつくろうと考えていたんです。素晴らしい。やっぱり既にあった。
しかもオープンソースですね!
例えばDm7 – G7 -Cmaj7とMIDIキーボードの鍵盤を押さえると次のように表示されます。
私が気に入った特徴は、ダイアトニック音とノンダイアトニック音を視覚的に区別できる
例えば、次のスクリーンショットで見ると分かるように、
サスティンペダルを押したままドレミファソラシ(=ハ長調のダイアトニック音)を弾くと連続した長い円弧として表示され、押さえていないノンダイアトニック音側は黒いままとなります。この時、ちょうどその境界にラインが表示されている事が確認できます。
これは”tonic structure”という表示機能で、ダイアトニックとノンダイアトニックが区別できるようになっています。
PC側の”t”キーを押すとトグル切替で表示非表示を変えることができます。
一方、小学校の教室で必ず誰かやる”ネコ踏んじゃった”側について押さえると、こんな感じになります。
これを見て分かる通り、今、自分がダイアトニック音を弾いているのかあるいはそうでないのかが一目瞭然です。
フットスイッチ等でMIDIコントロール0番をオンにしながら単音を押すとキーを変更できる
前述のダイアトニックの区別ですが、キーを変更できなければハ長調(KEY=C)で使う時以外は全く意味がない事になってしまいます。
アプリケーション画面上には表示されていませんが、サイト上の説明を読むと、”Change keys easily with a foot pedal (Midi channel C00)”と書いてあります。私はMIDIコントローラとして使っているMIDIキーボードの設定を変更する必要がありましたが、フットスイッチを踏みながらキーのルート音を鍵盤で弾くとキーをハ音以外に変更する事ができました。さらには、長調短調の他各教会モードに対応しているようです。
コードネームとコードのルート音を表示してくれる
コードネームについては検出の精度が悪いのでオマケ程度の機能と割り切った方がいいですが、無いよりは有ったほうが良いです。
また、ルート音を検出する機能があり、通常ノートオン時は該当の音が赤く表示されますが、和音や主音を弾いた場合は、他の音と区別され水色の濃淡で表現されますのでとても便利です。但し、コードネームと同様、簡単なコードでないと正しく表示されませんので、不満は残ります。
以上、MAGIC CIRCLE OF FIFTHSの紹介でした。
ブラウザ単独でできないのか?
ちょっと調べてみた感じでは見つけられませんでした。どうしてもMIDIとなるとMIDI入力より再生の方が話題としては多くホームページでMIDIを再生していた90年代後半の記事が混ざってしまい、いささかタイムトリップしてしまう感じになります。MozillaのAudio Data APIにあれば、と思いましたが、無いっぽいですね。
補足)MAGIC CIRCLE OF FIFTHSの元ネタ
作者によると、http://randscullard.com/CircleOfFifths/このサイトが発想の元となっているようです。使い方はこちらのサイトの説明の方が詳しく書かれています。http://randscullard.com/CircleOfFifths/UserGuide.htm
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